macOS Monterey 12.3とiPadOS 15.4からユニバーサルコントロールが搭載された。2021年6月のWWDC21で発表があってからかなり時間が経ったが、ようやくデビューした。MacとiPadをマウスカーソルが行き来でき、クリップボードも共有できて、ファイルもドラッグ&ドロップでやり取りできる。夢のような共有機能だ。よく近未来を描いた動画で見られる機能だけど、それが現実のものとなるのだ。
設定
設定はiPad側とMac側の両方で行っておく必要がある。まずはiPad側の設定から見ていく。

iPad側は設定アプリの「一般」から「AirPlay と Handoff」で「カーソルとキーボード(ベーダ版)」を有効にしておく。
次にMac側の設定を見ていく。

システム詳細設定を起動させて「ディスプレイ」から「ユニバーサルコントロール…」を選択すると表示されるチェックボックスを有効にする。チェックボックスはそれぞれ3項目ある。
- カーソルとキーボードを近くにあるすべてのMacまたはiPad間で移動することを許可
- ディスプレイの端を通過させて近くにあるMacまたはiPadに接続
- 近くにあるMacまたはiPadに自動的に再接続
これらを有効にすると、カーソルをiPadがあるほうに移動させると端からもっこりとカーソルが現れる。

ちなみにこのもっこりを毎回見たかったら「近くにあるMacまたはiPadに自動的に再接続」をオフにしておくと、iPad側のロックが解除するたびに現れる。
Mac側の条件は以下の通り。
- MacBook Pro(2016以降)
- MacBook(2016以降)
- MacBook Air(2018以降)
- iMac(2017以降)
- iMac(27インチ5K Retina、Late 2015)
- iMac Pro
- Mac mini(2018以降)
- Mac Pro(2019)
iPad側の条件は次の通り。
- iPad Pro
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad(第6世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
2ファクタ認証で同じApple IDでiCloudにサインインしている必要がある。
使ってみて
MacからiPadにカーソルを移動させるときに、最初に出るもっこりがなんだか見ていて面白い。一度もっこりが出ると、カーソルを移動させるだけでシームレスにMacとiPadを行き来できる。コピーペーストもMacとiPad間で共有できるし、何よりもファイルをドラッグして移動させることができるのが嬉しい。
これまではMacとiPadでファイルを共有させる場合はAirDropを使う必要があった。Apple PencilがあるiPadと物理キーボードとトラックパッドのMacでは、得意分野が違う。iPadで得意なApple Pencilを使った作業のために、MacのファイルをiPadにドラッグで持っていく。iPad上で編集が終わったファイルをドラッグでMacに戻す。こういう使い方も可能だ。
あとは、Macにあるファイルを出かける前にiPadにドラッグして、そのままiPadを手に取って出かける。例えば、ビジネスシーンなどでMac上にある資料を離席前にiPadにドラッグして、iPadだけを手に持って会議室に行ってプレゼンをする、みたいなかっこいい使い方ができる。なんかのFuture Vison動画で見たことある光景だ。デバイス間のシームレスな共有例として、これとかこれとかこれとかこれとか。全部Microsoftの動画だけど、実現しているのはApple。
ちなみに、WindowsだとタブレットとPCというわけではないけど、PC同士をネットワーク経由で繋いでひとつのマウスとキーボードで行き来できるMouse without Bordersというのがある。これでもファイルのドラッグによるやりとりが可能だけど、デスクトップ上にフォルダが作成されてそこに入る仕様で任意のフォルダにドロップできたりはしない。
まだベータ版とあるけど、iPadだけでなくiPhoneなどからもファイルのシームレスなやりとりができたりする未来があるといいね。