その昔、三洋電機という家電メーカーがあった。その家電メーカーが2005年に発表したニッケル・水素電池がエネループだった1

繰り返し使えてエコということで、ぼくも取り入れていった。当時、まだWindowsのデスクトップパソコンを使っていたのでワイヤレスマウスや、掛け時計に使っていた。

何本かかって、使っている分がなくなったら交換。交換したものは充電器で充電して待機。エネループは充電しておいていても放電しにくいという謳い文句だったので、そのように運用していた。

基本的に単3、単4だけなのだが、スペーサーを使うことによって単3を単1、単2としても使うことができた。

乾電池をつど買わなくてもいいし、充電すれば繰り返し使えるし、繰り返し使えるということは、電池をゴミとして出さなくてもいい。電池のゴミ回収は週に1回なので、面倒なゴミ捨ての手間も省くことができる。

いいことづくめだと思っていたのだけど、やっぱり乾電池のほうがいいと思って充電池で使っていた機器を減らしてきて、乾電池に完全に置き換えていった。

乾電池以上に捨てづらい

乾電池は燃えないゴミの日に捨てなくてはいけないので週に1回しか捨てる機会がないけど、充電池はそもそも回収していない。充電池はとても捨てづらいのだ。

もちろん繰り返し使えるので長くは使えるけど、それでもどうしても使っているとへたってくるもの。そういうときに新しい充電池を買って古い充電池は破棄しなくてはいけないけど、自治体が回収していない。

自治体からは家電量販店などで回収してもらうように案内を出している。家電量販店では充電池の回収ボックスを用意しているとウェブサイトでは謳っている。

だけど、家電量販店で電池回収ボックスはあまり見なくなった。置いてあるのはわずかな店舗になってきている。店によっては店員に言うと引き取ってくれたりするけど、捨てるハードルはかなり高い。

こんなに捨てづらいのであれば週に1回は捨てることができる乾電池のほうが利便性が高い。なかなか捨てられないということは、使えなくなっても家のどこかに置いておかなければならないということ。捨てる機会がもっとあればいいけど、これほど捨てられないものであれば使わないほうがいいと判断した。

災害時はやっぱり乾電池

2019年に台風15号の影響で君津市の送電線鉄塔が倒れ、千葉県で対規模停電が発生した。電気のありがたみというのを実感する事態となったが、これがきっかけでいざ災害になったときのことを考えるようになった。

災害時、電気が欲しいときは乾電池のほうが有利なのだ。まず懐中電灯などのライトは充電池だと少し暗くなる。乾電池の場合は電圧が1.5Vなのに対して充電池のほとんどの電圧は1.2Vだ。この電圧の差はライトの明るさとなって現れてくる。また、機器によっては使えない場合もある。

そして、充電池の自然放電。放電しにくい作りになっているとはいえ、乾電池よりも自然放電の割合が大きい。これにより、いざ使いたいときに動かないという事態が想定される。そういうことを考えると、乾電池のほうが安定していていいのだ。

おわりに

乾電池を超えるような充電池が登場するような技術革新が起きれば、また世の中が変わってくるのかもしれない。iPhoneなどのスマートフォンなど、リチウムイオン電池を利用した機器が増えてきている。だけど、それらを捨てたりすることが難しくなっている。製造、流通、使用だけでなく、破棄まで含めたライフサイクが考えられた世の中になっていけばいいと思う。

  1. 買収されてパナソニックブランドになっている。 ↩︎

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