エスカレーターは歩けるように設計されていないらしく、片側だけを歩くと摩耗が激しくなるそうだ。
一般社団法人 日本エレベーター協会|エスカレーターのご利用について
実際に混雑しているときは片方を空けて歩くより、左右に乗って立ち止まったほうがより多くの人を運ぶことができるという実験結果もある。
The tube at a standstill: why TfL stopped people walking up the escalators | UK news | The Guardian
鉄道会社も少し前からエスカレーターでは立ち止まろうと呼びかけを行ってきて、ようやくここにきて「歩かない」ように強くアナウンスするようになった。

JR東京駅では写真のように「エスカレーターでは歩かないでください」と書かれた看板が掲示され、係員による呼びかけも行われている。
いまはエスカレーターを歩かないように呼び掛けている鉄道会社であるが、過去にエスカレーターで急ぐ人のために片側を空けるように呼び掛けたのも鉄道会社だ。つまり、鉄道会社のせいで始まった慣習を鉄道会社が清算しようとしている状態だ。
ただ、いまだにエスカレーターを歩く人は多い。エスカレーターで立ち止まることが定着するには、半世紀ぐらいかかるんじゃないかと思っている。どうせ、歩く側で立ち止まっていたらうしろから舌打ちぐらいは聞こえてくるだろうし、空いている側で立ち止まる勇気って想像以上に必要だと思う。
インフラ自体を歩けないように再設計して、一人用のエスカレーターにするとか、階段を増やすなどしていかないと、なかなか定着していかないのではないだろうか。そもそも、階段がない場所もある。
エスカレーターと階段の割合を逆転して、基本は階段を使ってもらい、体が不自由な人がエスカレーターを使うぐらいがちょうどいいのかもしれない。