珈琲館でナポリタンが食べられるということで、何気に店に入った。
パスタを食べるときはイタリアンレストランという人が多いと思う。パスタの茹で加減もわやわやよりも少し硬さが残るほうがぼくも好みだ。だけど、ナポリタンに関してはちょっと違う。特に喫茶店で出てくるような柔らかく茹でたスパゲティでもありだと思える。喫茶店のナポリタンというのは、イタリアンというよりも日本独自の味わいがある。
たまに喫茶店のナポリタンを食べたくなる。そう、ナポリタンを食べるときはイタリアンレストランよりも喫茶店のほうがいい。イタリアンレストランで出されるナポリタンは、ちゃんとパスタしているのだ。喫茶店のナポリタンは違う。しっかりと茹で上がっている。アルデンテなんて洒落込んでいない。
地元の駅の近くにあるスーパーに珈琲館という喫茶店のチェーン店が入っている。そこの看板のナポリタンに惹かれて店に入った。注文したのは炭火珈琲とナポリタン。
やがて付け合わせであろうサラダとコーヒーが来る。

注文のときにコーヒーを持ってくるのはいつかと訊かれたので「食後」と答えたら、なぜか食前に持ってこられたコーヒー。なんだろう、このゆるさは。
サラダとコーヒーが来てからしばらくしてナポリタンの登場。

しめじが入っている。あとはベーコンとピーマンと玉ねぎという定番。なかなかコクがあって味わい深い。うまく味付けがしてあるのか、ケチャップのしつこさがない。
単体で食べるとちょっと脂っこくてきついナポリタンもコーヒーと合わせると、お互いを引き立てるから不思議だ。喫茶店でナポリタンを出すようになった経緯は知らないけど、それはきっと必然だったのではないかと思えるほど合う。
しょっちゅうはいらない。
でもたまに無性に食べたくなる。