国語辞典を複数持っていると言うと驚かれることが多い。ぼくだって、学生の頃は国語辞典なんてひとつあればいいと思っていた。国語辞典の読み比べの楽しさに気がついたのは大人になってからだ。

国語辞典はそれぞれ編集方針がある。保守的なのか、新しい言葉を積極的に取り入れていくのか、用例を詳しく書いていくのか、間違えやすい言い回しを詳しく解説するのか。それぞれ特徴があり、同じ言葉を調べても意味の解説がいろいろ。簡潔に書いている辞書もあれば、出典を詳しく書いてある辞書もある。私情を挟む辞書だってあるのだ。食材の意味を調べて、解説のあとに「うまい」とか書かれていると、それはお前の感想だろうがと突っ込みたくなる。

だから、国語辞典は読み比べが楽しい。辞書を引くときに同じ言葉をいろいろな辞書で調べると、この辞書ではわからなかったけど、こっちの辞書で理解が深まったなんてこともある。国語辞書は2冊は持っておきたい。

特にスマートフォンで辞書アプリが出てから調べるのが簡単になってきた。また、近年ではAppleの方針で、複数の辞書アプリをひとつのアプリにまとめるよう開発ベンダーに通達が出されて、ひとつのアプリで複数の辞書が登録でき、一度の検索で横串で意味を調べることができるようになった。

ぼくは物書堂の辞書アプリに「大辞林4」「大辞林」「精選版 日本国語大辞典」「新明解国語辞典」「角川類語辞典」を入れている。「大辞林4」「大辞林」で重複しているのではないかと思うかもしれないけど、版が違えば内容だって違う。意味の見直しが行われていたり、新しい言葉が増えていたりする。新しい版が出たら手に入れるのが吉だ。

特に物書堂のアプリだと、出たばかりのときはリリース記念価格で安くなっている。その間に手に入れる。あと、4月あたりに学生応援で安くなったりするので、それを狙って買うのもいい。新入生で、新たに学校に入学したら自分への投資として買うのもいい。ゲームに課金するよりも、国語辞書に課金しよう。自分の知識を深めてくれるから。

そんな国語辞典の楽しさを解説してくれるのが以下の本だ。

学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 (角川文庫) | サンキュータツオ | 国語辞典 | Kindleストア | Amazon

この本では国語辞典を擬人化して、それぞれの国語辞典の特徴をわかりやすく解説してくれている。また、自分にあった国語辞典はどれかを見つけるための指針にもなってくれる。それに読んでいると、いろいろな国語辞典が欲しくなる。国語辞典の奥深さを知るのにはいい解説本だ。

国語辞典、まずは2冊。ぼくは物書堂の「大辞林4」と「新明解国語辞典」をおすすめしたい。なお、近々「三省堂国語辞典」を買おうと思っている。「大辞林 第四版」は令和になって発売された国語辞典なので、新しい言葉もちゃんと解説されている。新しい言葉をカバーしつつ、「新明解国語辞典」で意味の面白さを堪能して理解を深め、国語辞典を楽しんでいく。国語辞典を引く癖がつけば、知識もついてくるし文章の理解も深まってくる。国語の成績も上がるかもしれない。

なお、物書堂アプリ内の国語辞典の現在の価格は以下の通り。

精選版 日本国語大辞典8,000円
大辞林 第四版4,280円
新明解国語辞典 第七版1,960円
三省堂国語辞典 第七版1,720円

「精選版 日本国語大辞典」は、本来は全13巻で22万円。その精選版で3巻で4万8千円。それが、アプリでは8,000円だ。超安い! でも、専門的なので、学生がまず1冊を買うなら「新明解国語辞典」か「三省堂国語辞典」あたりがいいかもしれない。広い意味を網羅するなら「大辞林」がおすすめ。大辞林だって書籍版は9,000円だけど、アプリなら4,280円。安い!

辞書持ち込み可の試験があるなら書籍版の辞書があるといいけど、複数の辞書を串刺し検索するならアプリ版がおすすめ。それぞれの辞書を読み比べて言葉の意味の理解を深めよう。

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